2002年度 事業方針 及び 事業計画
理事長 大川三敏
浦安行動派宣言 −自立と連携、輝ける未来へ−
(はじめに)
世紀末の不安を新しい時代への期待へと変えてくれた21世紀の幕開けという出来事は、現実として何かを変えてくれたのでしょうか。
依然として少子・高齢化の進行は歯止めがかからず、青少年の心の問題、環境問題への対応を求められるなど、私たちは20世紀の課題をそのまま引きずっています。
加えて年功賃金や終身雇用といった日本的な雇用慣行も揺らぎつつあり、IT革命などともいわれるように、社会の情報化は急速かつ世界的規模で進展しています。
このような私たちの生活自体に影響を及ぼす社会構造の変化は、日ごとに大きなものとなっています。新しい世紀の幕開けは時間軸上での現象にすぎず、生活の中ではまだ社会構造の変化に合わせた転換が行われておらず、今まさに転換期を迎えているのではないでしょうか。
(自立・連携への転換)
転換すべき方向を一言で言えば「自立」という言葉になると思います。
個人レベルで考えてみると、かつて雇用者の賃金は、右肩上がりに増加することが半ば当然なことでありました。家計の支出も子どもの成長などで年々増加するため、年功的な賃金体系は家計支出の変化とマッチしており、誰しもそのことに疑問を持たなかったのです。
しかし、今後、能力や実績を重視した賃金体系になると、必ずしも家計支出とマッチしなくなり、企業まかせであった収支のバランスを自ら考える必要が生じてくるのです。
さらに2000年4月にスタートした公的介護保険の理念は、「自立的な生活の支援」であり、公的年金においても支給開始年齢が引き上げられ、老後の生活もより自立的な設計が必要になります。
そして、「自立」という言葉は、私たちの住む地域のあり方という点でも転換すべき方向となるのです。
国と地方(地域)の関係も、2000年4月からの地方分権システムへの移行を受け対等の関係となり、これまでの国主導による全国一律のまちづくりではなく、地域が自らの選択と責任のもとで、まちづくりを進めていかなければならなくなってきています。
これは必然的に地域住民との「連携」が、今まで以上に必要になるということであり、さらには地域住民が自立し、自らの手によりまちづくりを進めていかなければならないということです。行政が主、住民が従という関係ではない、住民が主、行政が従という関係によりまちづくりを進めていく、という本来への回帰が望まれています。そのための第一歩として市民と行政、市民と市民、市民と企業、あらゆる場面で公益というものを考え、協働し、パートナーシップを確立していかなければならないと思います。
(私たちの責務)
私たち(社)浦安青年会議所は、1981年の創立以来、変革の能動者として「明るい豊かな社会を築き上げよう」を行動理念に様々な運動や事業を展開してまいりました。
これからの不透明性を抱えた時代の変調の中、私たち一人ひとりは、またJCという団体は、これからどんな役割を果たしていくべきなのでしょうか?
確かに私たちは、まだまだ自らの仕事や家族への責任を果たさなければならない、働き盛りの世代です。余計なことを考えずに、仕事に精を出す時であるのかもしれません。
ただ、個人の生活も仕事としての経済環境もその基盤となっているのは、現在の社会構造であるといえます。
20世紀の負の遺産ともいうべき危機的状況は、このままで誰かが解決してくれるのでしょうか。
地球的規模で環境破壊が進み、青少年の問題が新聞紙面を賑わす、バブル崩壊の痛手は回復しておらず、縦割り的な行政システムの改革は遅々として進まず、人々は身勝手に行動し社会性を失っていく、そんな現実を直視し考え行動する時期にきているのではないでしょうか。
今、私たちの世代が社会への使命感を持たなければ、私たちの子ども達やその先の世代にもっと大きな負の財産を残すこととなります。転換期の方向付けの礎となり、少しでも状況を好転させていくことは、我々に課せられた責務であると考えます。
(変革のための行動)
今、私たちは、家族の中での自分の責任が重要になってきたことと同じように、地域社会に対する世代の責任の重要性をも改めて認識する必要があるのではないでしょうか。
家族を愛し、子ども達に未来を託すように、地域や社会に愛と希望をもって関わっていくのは、決しておこがましいことではないはずです。次代への変革は、一部の人たちで乗り越えられるものではなく、私たち一人ひとりの意識改革と集団として行動の量と質により乗り越えていくことが重要であると思います。
世代の責任と個人の使命を感じ、青年らしく志を高く、そして楽しみを持ち、自らの可能性に向かって確実に歩み出していきたいと思います。
私たちは、「未来のために何ができるのか、何をすべきか」を真剣に考え、自立と連携を転換期における基本的な理念として、「まちの絆づくり」、「人間力の開発」、そして「新JCづくり」の3つの方針のもと、同じ願いと目的を持つ仲間とともに、行動を通じて本当の信頼と友情が生まれる活動を行っていきます。
浦安行動派宣言 ―自立、連携、輝ける未来へ−
(未来のための3つのアクション)
まちの絆づくりのためのアクション 人間力開発のためのアクション 新JCづくりへのアクション